オペ看の1日のスケジュール

 皆さんは看護師と聞くと、どの様な仕事を思い浮かべますか?多くの人が病棟や、町のクリニックで働く看護師を思い浮かべると思います。でも実は、非常に少数派ではありますがオペ室に勤務する看護師もいて、オペ看なんて呼ばれ方をしています。オペ室の看護師は人数も少ない為、あまりメジャーではありません。大学や専門学校で学ぶ事も殆どなく、調べたくても本やサイトに載っている情報は少ないので、オペ室に興味があったり、オペ室に入りたい!と思っている方は、情報の少なさに残念な思いをする事があるかと思います。その残念な思いを解消する為に、現役でオペ室に勤務している看護師としてオペ室看護師の情報について発信していきたいと思います。

 今回の記事では、勤務を考えている方が気になるであろう、オペ室看護師の1日のスケジュールについて詳しくお話ししていきます。

1.オペ看のスケジュール

 病棟看護師の1日のスケジュールは、バイタルサイン測定の時間や昼食の配膳等の時間が決まった処置があるため、全体の流れがルーティン化している事が多いです。もちろん、検査や手術出しなどがある場合は患者さんによって時間が違う為、毎日の流れと異なる事もあります。オペ室看護師の1日のスケジュールにもルーティンはありますが、手術によって毎日する事が異なる為、病棟看護師のスケジュールよりも読みにくい事が多いです。しかし、手術をメインに予定を組み立てていくので手術時間が決定している場合は、手術室の方が予定が組みやすいのではと思います。

 病棟看護師の1日のスケジュールは、看護実習である程度体験できるので想像できると思いますが、手術室は実習で見学が出来ても手術中だけで1日の流れとなると想像が難しいと思います。なので、1年目が経験すると思われる1日のスケジュールについて詳しくまとめていきます。

【朝から手術を担当する場合】

(例)9時30分〜15時までの手術予定の場合
8時45分
 1時間近く器械準備にかかる為、朝礼には参加せずに器械準備を行います。手術時間までに終わりそうにない場合は、他の看護師に手伝ってもらう事も出来ますが基本は1人で行わなければならない為、早めに出勤して器械準備をする事が多いです。
9時30分
 手術開始。器械出しとして手術の介助に入ります。
15時
  手術終了。使用した器械や物品の後片付けを行います。長時間の手術では、手術室の清掃は他の看護師にお願いする事が多いです。
15時30分
 1時間休憩。長時間手術の場合は就業時間ギリギリに休憩を取る事もあります。
16時30分
明日の自分が担当する手術を確認し、カルテから情報収集を行い、準備されている器械や物品の確認を行います。
17時
 終礼を行い、その日の手術の連絡事項や明日の手術の連絡事項を全体で共有して勤務終了となります。

【昼以降に手術を担当する場合】

(例)14時から1時間の手術予定の場合
8時45分
・朝礼
 その日の手術の確認や、全体への連絡事項などを看護師全員で共有します。
・環境整備 
 物品を管理している倉庫や、手術室の環境整備を行います。基本的に床の掃除は清掃の方にお願いしている為、手で触れる場所をメインに掃除していきます。
・中材業務
 中央材料室の業務も行なっている病院では、手術で使用した器械の再滅菌を行います。
 ⚠️中央材料室とは中央材料室では、病院全体で使用された器械や医療器材などの洗浄、組立、滅菌、保管を行なっておる部署です。手術で使用した器械などは、基本的にオペ看が確認し梱包する事が多いです。
・次の日の手術の準備
 次の日に行われる手術を確認して患者さんの情報を取り、手術毎に使用する器械や物品の用意をしていきます。自分が担当する手術では患者さんの情報、器械の確認をす為、明日の手術予定が分かっていれば自分の担当手術の準備をするのが良いと思います。
・11時30分
 11時30分からリーダーが決めた時間に昼休憩に入って行きます。手術時間によって前後しますが、基本的にはしっかり1時間休憩時間が確保されている事が多いです。とても忙しい日では、30分ずつに分ける事もありすがトータルで1時間は必ず確保されていると思います。休憩は部署内に休憩室がありますので、食堂や別の休憩所に行く必要はありません。行きたい人は一度ナース服に着替えて行く事も可能です。
・12時30分
 手術で使用する器械の準備をしていきます。手術によって準備する時間が15分〜1時間以上など幅があるので、自分の能力と手術とを照らし合わせて、手術までに間に合うように器械を展開して下さい。初めの頃は先輩が15分で終わる準備でも、30分以上かかる事もありますので早めに準備しておく事をオススメします。
・14時
 手術開始。器械出しとして手術の介助に入ります。
・15時
 手術終了。使用した器械や物品の後片付けを行い、手術室の清掃を行います。新人の頃は手術後にプリセプターと振り返りを行い、介助の精度を高めていきます。
・16時
 朝に再滅菌した器械や物品を所定の位置に片づけ、いつでも使える様に整理していきます。
・17時
 終礼を行い、その日の手術の連絡事項や明日の手術の連絡事項を全体で共有して勤務終了となります。

2.器械準備にかかる時間

 手術で使用する器械を渡しやすいように器械台に並べて置く事を、器械準備、器械展開と呼ばれています。器械準備の時間は一律に言えるものではなく、手術によって準備する時間が15分〜1時間以上など幅があるので、自分の能力と手術とを照らし合わせて、手術までに間に合うように器械を展開する必要があります。初めの頃は先輩が15分で終わる準備でも、30分以上かかる事もありますので早めに準備しておく事がオススメします。この記事では、新人が担当しやすい外科系の手術の器械時間を例をあげて具体的にまとめていきます。

【局所麻酔の場合】

(例)リンパ節、やアテロームの摘出術、CVポート挿入など

 リンパ節やアテロームの摘出術では場所や大きさにもよりますが、基本的には局所麻酔で1時間以内に終了する事が多いです。使用する器械も少ない為、新人でも30分あれば準備出来ると思います。手術に何度もついていき、使用する器械が分かり、自分の並べ方が決まってくると10分程で準備出来る先輩もいます。

【腹腔鏡の手術の場合】

(例)ラパ胆摘、ラパアッペ、ラパヘルニアなど

 腹腔鏡での手術の場合は、カメラポートを挿入する孔を作成する様に使用する開腹器械と、腹腔鏡で使用する腹腔鏡鉗子器械の2種類を準備する為、少し時間がかかります。ですので、最初の頃は1時間前後を目安に時間を確保しておくと良いと思います。

【腹腔鏡と開腹が混ざっている手術の場合】

(例)ラパ腸、ラパ低位、ラパ胃など

 基本は腹腔鏡で手術を行い臓器摘出をする時に小切開を行う手術では、開腹器械と、腹腔鏡鉗子器械の2種類を準備する為、時間がかかります。腹腔鏡の手術だけの場合よりも開腹器械の種類が多いため1時間30分程を目安に時間を確保しておくと良いと思います。

【開腹手術の場合】

(例)開腹腸切除、開腹胃摘出など

 開腹手術では、開腹器械と手術に応じた器械を単品で準備する事が多いです。腹腔鏡と開腹が混ざっている手術の場合よりも準備する器械は少ないですが、使用する器械が多く整理整頓しておく必要があるため、1時間前後を目安に時間を確保しておくと良いと思います。

3.器械準備のポイント

 初めの頃は準備に時間がかかってしまい、手術ギリギリまで完成していない事もあるかもしれません。時間の余裕がなくなると、心の余裕も無くなってしまい焦りからミスが生じる原因になってしまいます。ですので、心の余裕が出来る様に準備をする上でのポイントをまとめていきます。

①器械の内容の確認は前日に済ましておく

 器械は自分で集める場合と他の看護師が集める場合があります。自分で集めた器械では何が入っているか、又は足りないかが把握出来ていますが、他の看護師が集めた場合は把握仕切れないので、前日に確認しておきましょう。また、全部揃っていると思っていても忘れている物品があると準備をする際に慌てる原因となるので確認しておくのが良いです。

②配置をイメージしておく

 準備をする際に最も時間がかかるのは配置決めだと思います。どこに何を置いておけば、取りやすく管理しやすいかを考えながら準備をしなければならないので、準備しながら考えるのではなくイメージしてから準備をするのが良いです。また、準備のイメージをイラストで書いておく、又は準備した器械を写真で撮影しておくと分かりやすくて非常に良いと思います。私はイラストを描いておく事で準備の時間が大幅に短縮出来る様になりました。準備に時間がかかり悩んでいる方は、是非参考にして頂けると嬉しいです。

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