オペ室で火災が起きたら、どのように対応するのか?

こんにちは。手術室看護師みにぶたです。

手術室勤務の皆さん。手術室は火災が起きる条件が揃っていることを、ご存知でしたか?

もし、勤務中に火災が起きたらどの様な行動をとれば良いのでしょうか?

火災が起きてから調べていては、間に合わずに命を落としてしまう可能性もあります。なので、起こる前から予防に努めて、備えておきましょう。

今回の記事では、手術室の火災について詳しくお話ししていきます。

①火災が起こる条件

まず、物が燃えるためには、「可燃物(燃料)」「酸化剤」「熱(着火源)」の3つの条件が必要です。手術室では、この火災が起こる条件が3つとも揃っています。なので、日頃から火災予防の意識を持っておくことが大切となります。

②手術室で火災が起こる原因

上記で書いたように、手術室では火災が起こる条件が3つとも揃っています。具体的にどのような物が原因となっているのか、まとめていきます。

① 「可燃物(燃料)」

・消毒液

アルコールが含まれている消毒液を使用し、液が溜まっていた場合は、アルコールに引火して火災が起こる可能性があります。ですので、消毒の際には適量を使用し、乾燥させてからドレーピングをするようにしましょう。

・ドレープ

ドレープの特性として、燃焼耐性があり燃えずに溶ける素材を使用されているかと思います。しかし、引火した場合ドレープに燃え移った事例がありますので、燃焼耐性があるから燃えないと、過信し過ぎないようにしましょう。

・ガーゼ、スポンジ

手術では頻繁に使用するガーゼやスポンジ。これらも燃えやすい素材となっていますので、電気メスや内視鏡などの着火源の付近には置かないようにしましょう。

②「酸化剤」

・酸素、亜酸化窒素

手術室には、麻酔時や呼吸困難時に使用するために酸素や亜酸化窒素があります。

燃焼力は濃度に比例しますので、気道や麻酔回路内は濃度が高いことから火災が発生しやすい場所であることを頭に入れておきましょう。またドレープの下にも酸化剤が溜まっていた場合、局所的に濃度が高まっている可能性が考えられます。

③「熱(着火源)」

・電気メス

 特に電気メスは要注意です。電気メスは手術で一般的に使用されており、電気が発生させる熱エネルギーで生体組織を切開、凝固していきます。そのため、先端部は非常に高熱で180〜350℃の熱が発生するため注意が必要です。

・内視鏡

内視鏡は、人体内部の観察を目的としており、本体に光学系が内蔵され、先端を人体内部に挿入することで内部の映像をモニターで見ることが出来ます。電源がついたままの光源コードの先端は、高熱を発し火災の恐れがあるので使用しない時は消灯するようにして下さい。

みにぶた
みにぶた

どれもこれもオペ室では、頻繁に使用する物ばかりですね。

火災の原因となる物は解ったかと思いますので、次に予防についてお話ししていきます。

③火災予防

火災予防については、原因となる物によって対応方法が異なりますので、3つの条件に沿ってお話ししていきます。

①「可燃物(燃料)」

・消毒液

「今はエタノールで消毒してないから大丈夫だろう」なんて思ってはいませんか?最近よく使用されているイソジン(ポビドンヨード製剤)にも、エタノールは含有されています。

ですので、イソジン(ポビドンヨード製剤)で消毒後、電気メスを使用する場合には、適量を使用し乾燥したことを確認してからドレーピングを行ってください。

・ドレープ

ドレープを使用せずに手術を行なうことは不可能となりますので、ドレープの使用時には消毒液が液状として残っていないかを必ず確認してください。ドレープ下に気化したエタノール蒸気が充満することで、引火する可能性が高まります。

・ガーゼ、スポンジ

電気メスや内視鏡などの着火源の付近には置かないことが大切です。ただ、どうしても付近に置かなければならない場合には、生食などで湿らせて置いた方が火災リスクは低減出来るかと思います。

②「酸化剤」

・酸素、亜酸化窒素

気道周辺の手術では、術野と酸素供給部の位置が非常に近いため要注意です。電気メスを使用している際に、高濃度の酸素が漏れ出ると火災の原因となることがあるため酸素マスクやカニューレは使用しないなどの対応が必要となります。

先輩から聞いた話しですが、人工呼吸器使用で気管支切開を行なった際、電気メスで気管チューブを損傷させたことで酸素が漏れでて、火傷に至った事例もあるようです。火災には至っていませんが、このような事例があったことを頭に入れておいて頂きたいです。

③「熱(着火源)」

・電気メス

電気メスを使用していない時には、誤ってスイッチを押さないようにメーヨー台に置くなどの対応をしてください。ドレープのポケットに入れておく場合には、電気メスだけでは身体でスイッチを押す可能性があるため、ケースに入れてからポケットに入れる方が良いでしょう。

また、フットスイッチを使用している時は、医師と相談して踏まない位置に移動させることも良いかと思います。

みにぶた
みにぶた

私は電気メスの入っていたケースを捨てずにとっておいて、それを術中に使用しています。

・内視鏡

光源がついたままだと、火災、火傷の原因になりますので、内視鏡も使用しない時には光源を切るようにしてください。また使用しない時には念の為に、先端(光源部分)が人体やドレープ、ガーゼなどの可燃物に当たっていないか確認する習慣をつけましょう。

予防方法については解って頂けたかと思います。では、もし火災が起こった際にはどのような行動をとるべきなのでしょうか?

次の項目で詳しくお話しさせて頂きます。

④手術室での消火方法

一般的な消火活動では、ABC粉末消火器が使用されることが多いかと思います。ただ、手術中の火災発生時には皮膚が切開された状態である可能性が高く、ABC粉末消火薬剤での消化活動は人体への影響を及ぼす可能性が考えられるため、最善であるとは言い難い方法です。

では、何が最善であるかというと、米国麻酔科学会のガイドラインでは、二酸化炭素消火器の設置が勧められています。

理由としては、二酸化炭素で消火を行うため薬品や水が飛び散ることがない、不活性ガスのため金属・電気機器類・油に対して化学変化が起きづらい、電気を通さない、また気化することから放射後に手術室内に何も残さないクリーン消火が可能となるためです。

⑤まとめ

今回の記事では、手術室の火災について詳しくお話しさせて頂きましたしたが、いかがだったでしょうか?

起こる事は極めて稀ですが、火災が起こりやすい環境であることを十分に認識し、日頃からスタッフ全員が火災について危機管理意識を持つようにしましょう。また、勤めている病院に火災対策マニュアルがあると思いますので、これを機会に確認してもらえると嬉しいです。

みにぶた
みにぶた

手術室での火災を私は体験したことはありませんが、焦げ臭く感ざることは何度かありました。

今回の記事のポイント

・手術室は火災が起きやすい環境であることを認識する。

・日頃から火災予防に努める。

・勤めている病院の火災対策マニュアルを確認しておく。

この記事をキッカケに、火災対策への理解が深まると嬉しいです。

以上、最後まで記事を読んでいただきありがとうございました!

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